プラカシュ・U・タヒリアニ
抗生物質耐性は、世界各地で危険なほど高いレベルにまで上昇しています
。米国だけでも、200 万人以上が
複数の薬剤に耐性のある細菌に感染しています (CDC のレポート –
2013)。抗生物質耐性は、医療費の増加と
治療の質の低下を引き起こします。2014
年 4 月に発表された世界保健機関 (WHO) のレポートでは、「この深刻な脅威はもはや将来の予測ではなく
、現在、
世界のあらゆる地域で発生している」と述べられています。
抗生物質耐性の発現の表現型メカニズムに関して、著名な米国の薬草学者スティーブン ハロッド ブーナーは、
「この地球上のすべての生命は非常に知的で、
生き残るために信じられないほど適応力があります」と述べています。細菌が抗生物質に対抗する方法を開発するとすぐに、その知識を他の細菌に非常に速い速度で
体系的に伝え始めます。抗生物質が存在すると、細菌の学習率は数桁増加します。これらの観察と発言は、抗生物質耐性の発現を制御する上で非常に貴重な実用的な意味を持っています。早急に対策を取らなければ、抗生物質以前の時代と同じように、一般的な感染症や軽傷で再び人が亡くなるポスト抗生物質時代へと向かうことになります。感染症の予防と治療に有効な抗生物質がなければ、臓器移植、化学療法、手術ははるかに危険になります。製薬業界は、潜在的な金銭的利益が開発コストをカバーしそうにないため、抗生物質に投資する動機がほとんどありません。今こそ、「リバース薬理学」アプローチによって天然物から新しい抗生物質を発見し開発する時です。このアプローチは、コスト、時間、毒性という3つの大きなボトルネックを軽減し、何世紀にもわたって病原微生物と接触してきた天然物/薬草は、これらの病原体に対処するのに非常に効果的な複合物質を開発してきました。