チェ・ジェソン、オ・セジン、キム・ハックリョン、ソン・ヨンウォン、ムン・ヒョンジョン、イ・ジョンサン、オ・ソヒ
背景:上腕足首脈波伝播速度(baPWV)は動脈硬化(AS)の指標であり、心血管疾患罹患率の非侵襲的指標としてよく知られているが、心臓手術患者への影響はほとんど研究されていない。本研究では、baPWVと心臓手術後の腎機能および左室拡張機能との関連を検討した。方法:単一施設で前向きに登録された62人の患者のうち、60人(平均年齢66.8±9.1歳、男性53.3%)がbaPWVおよび術後疾患変数を含むすべての測定を完了した。結果:合計で38人の患者(63.3%)が非弁膜手術(NV)を受け、そのうち32人が単独冠動脈バイパス移植手術を受けた。術後推定糸球体濾過率(eGFR)は、単変量解析および多変量解析の両方において、baPWVと有意かつ逆相関していた(それぞれP=0.024、回帰係数(B)=-1.535およびP=0.031、B=-1.190)。NVを受けた患者における術後eGFR <50 mL/min/1.73m2の検出のためのROC曲線解析では、baPWVのカットオフ値は18.0m/sで、感度64.3%、特異度75.0%であった(AUC、0.783、95% CI:0.631–0.934、P=0.004)。 NV を受けた患者のサブグループで組織ドップラー心エコー法を用いて調査された術後 LV 拡張機能との関連性については、baPWV の四分位数が増加するにつれて術後の e′ 速度が減少する有意な傾向が認められた:Q1、6.8 ± 1.2、Q2、6.3 ± 2.2、Q3、5.0 ± 1.0、Q4、5.2 ± 1.5 cm/s (傾向の P = 0.005)。結論:baPWV と心臓手術後の腎機能および LV 拡張機能との間には有意な逆相関が認められた。試験登録:ClinicalTrials.gov (ID: NCT 02014012)。