獣医学と医療診断ジャーナル

麻酔後の亜急性経過を呈した犬の全身性アミロイドAアミロイドーシス

三宅 明、塚脇 哲、松田 裕、岸本 雅、村上 哲、鈴木 和

麻酔後の亜急性経過を呈した犬の全身性アミロイドAアミロイドーシス

画像診断の調査に使用された8歳の雌のビーグル犬は、麻酔を受けた翌日に前駆症状もなく急速に体調が悪くなり、約2か月後に死亡した。剖検により全身性アミロイドーシスが見つかり、膵臓、腎臓、脾臓に重度のアミロイド沈着が観察された。免疫組織化学的には、アミロイド沈着のほぼすべてがアミロイドAであった。その他の所見には、肺動脈と大動脈の血栓、腎臓を含む複数の臓器の形質細胞浸潤があった。アミロイドAアミロイドーシスは、動物のアミロイドーシスの中で最も一般的なタイプであり、慢性炎症と腫瘍形成を伴って発生する。しかし、本症例の亜急性の経過はまれであり、明らかな背景病変がなく、麻酔と血栓との関連を示唆している。

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