土屋裕也、ホーダ・A・アブドエラチェフ、アブデルラフマン・A・アブ・ラワシュ、柳井徳馬
本研究では、ハムスターモデルにおける馬ヘルペスウイルス(EHV)誘発脳炎に対するブラジル産グリーンプロポリスの予防効果を評価することを目的とした。まず、EHV-9に対するブラジル産グリーンプロポリスの抗ウイルス活性を調査し、次にプロポリスのサイトカインの動態と産生に対する効果を検討した。65匹のオスのシリアハムスターを2つの治療群と対照群に分けた。第1群は対照群である。第2群には、プロポリス治療を行わずに、50μlのEHV-9 [3×104プラーク形成単位(pfu)] を鼻腔内感染させた。第3群には、ブラジル産グリーンプロポリスのエタノール抽出物500mg/kgを7日間経口投与し、続いて50μlのEHV-9(3×104 pfu)を鼻腔内接種した。プロポリスによる前処理は、鼻腔内経路による EHV-9 誘発脳炎の予防には効果的ではなかった。この推測は、接種後 3 日目 (dpi) からグループ 2 と 3 の感染ハムスターの脳におけるウイルス抗原分布に基づく同様の臨床症状と免疫組織化学によって裏付けられている。IL-2、IL-10、IFN-の脳 mRNA レベルが有意に増加した。