小林直己、村上智明、酒井宏樹、山口由依、福士秀人、柳井徳馬
日本でマイコプラズマ・シノビエ感染による鶏アミロイド関節症が発生
鶏アミロイドA(AA)アミロイドーシスは、慢性炎症性疾患を伴う成鳥の致命的な疾患です。白色鶏では、AAアミロイドーシスはワクチン関連アミロイドーシスとして観察されます。一方、有色鶏では、AAアミロイドーシスは一般にアミロイド関節症として知られています。鶏アミロイド関節症は、通常、エンテロコッカス・フェカリスの感染によって引き起こされます。マイコプラズマ・シノビアがアミロイド関節症の原因物質であると報告されることはまれです。本研究では、重度の脚関節腫脹と顕著な成長遅延を示した36羽の褐色鶏を、組織病理学、免疫組織化学、超微細構造形態学、細菌学、分子生物学を用いて検査しました。組織学的には、脚関節滑膜に重度のアミロイド沈着が観察され、肝臓と脾臓に軽度から中等度のアミロイド沈着が観察されました。滑膜では、肉眼検査で観察されたオレンジ色の部分と同じ部位にアミロイド沈着が観察されました。超顕微鏡検査では、滑膜のアミロイド線維密度が肝臓の密度よりも高いことが観察されました。ポリメラーゼ連鎖反応試験により、病変にM. synoviae感染が明らかになりましたが、E. faecalis感染は確認されませんでした。これは、アジアでM. synoviae単独感染による鶏アミロイド関節症の初めての報告です。