女性の健康、問題、ケアに関するジャーナル

産後日本人女性の首と肩の痛み（肩こり）の生理学的評価

子安恵子、上山直美、谷川裕子、山崎峰夫、松尾博也

【目的】首と肩の痛みは日本人女性に最も多くみられる症状である。首と肩の痛みは不快な症状を伴うことが多い。本研究の目的は、産後女性の特定の心身の状態との関係で首と肩の痛みの病態生理を明らかにすることである。
【方法】データは質問票によって収集され、対象者の特徴、首と肩の痛みの詳細、首と肩の痛みによる日常生活の支障の程度（レベル0（なし）から10）で構成されていた。心理的ストレスの評価は、気分プロファイル簡易日本語版（POMS-B）を使用した。さらに、筋硬度、血流、自律神経系（ANS）活動、授乳姿勢の角度を測定した。研究参加者は、産後1ヶ月から6ヶ月までの62名の産後女性であった。
【結果】出産後の首と肩の痛みの悪化は、POMS-Bによる心理的ストレスと関連していた。自律神経活動は、POMS-Bスコアの「四分位の25%未満」と「四分位の75%以上」でt検定により比較した。疲労感は、「75%以上」の方が「25%未満」よりも高頻度（HF）が低い傾向にあった。NSPのある産後女性の「NSPによる日常生活の支障」の平均スコアは4.7±2.3であった。「NSPによる日常生活の支障≧4.7」の表面皮膚温度は、「< 4.7」よりも有意に低かった。LF/HF比は、「≧4.7」の方が「< 4.7」よりも有意に高かった。授乳姿勢の角度は、「産後悪化」と「産後変化なし/軽減」の間で頭角に有意差が認められた。
結論：結果は、産後女性の心理的ストレスがANS活動の変化を通じてNSPの悪化に関連している可能性があり、出産後のNSPの悪化は授乳姿勢に関連していることを示唆した。