生物多様性管理と林業ジャーナル

個々の樹木を測定するための Fusion/LDV による LiDAR データ解析

塩田裕美、田中和宏、永島桂子

目的：
近年、航空機LiDARデータを用いた森林の垂直構造の解析が多く行われている。LiDARデータの解析には、欧米で解析ソフトウェアが開発されている。これらの国と日本の森林の状況は大きく異なる。本研究では、LiDARデータの解析ツールとして、米国で開発されたFusion/LiDAR Data Viewer（LDV）ソフトウェアを使用した。本研究の目的は、このソフトウェアを使用して得られる出力の種類、機能、精度の観点から、日本の森林管理におけるFusion/LDVの有効性を検証することである。
方法：
本研究で使用した検証パラメータは、樹高、樹冠基底高（CBH）、樹冠幅（CW）である。自動抽出されたFusion/LDVデータ、手動で測定されたFusion/LDVデータ、および現地調査データの3つのデータソースを使用した。得られたデータを比較するために、散布図分析、二乗平均平方根誤差（RMSE）、および3つの異なるタイプの現地調査データからの差異を使用した。
結果：
研究結果により、Fusion/LDVによる自動および手動測定の両方で樹高の推定精度が比較的高いことが確認されました。2つの調査地域で線形回帰の傾きは0.9を超えました。決定係数の結果は0.7を超えました。しかし、CBHの測定もCWの測定もそれほどの精度はありませんでした。線形回帰の傾きはゼロまたはマイナス値に近かったです。
結論：
個々の樹高測定では、樹木に明確なピークがある場合、Fusion/LDVは非常に有用であり、日本の森林環境で十分に利用可能でした。