タグリド・B・エル・アバセリ、タレク・H・エル・メトワリー、パトリック・L・アイヴァーセン、トーマス・E・エイドリアン
目的:全トランスレチノイン酸 (atRA) は、膵臓癌の分化とアポトーシスを強力に誘導します。しかし、レチノイドの臨床使用は、レチノイド耐性または高用量での毒性発現によって制限されています。私たちは、atRA の分解と細胞からの除去を阻害することで、膵臓癌治療におけるその有効性が高まるという仮説を検証しました。
方法: In vitro では、AsPc-1 細胞と HPAF 細胞を atRA と多剤耐性 (MDR: ベラパミル、LY335979、キニジン) またはシトクロム P450 (CYP450: トロレアンドマイシン、クロトリマゾール、リアロゾール) の阻害剤で併用処理しました。さらに、細胞を atRA とMRP、Pgp、CYP26、CYP3A4 に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドで併用処理しました。増殖とアポトーシスを調べました。In vivo では、AsPc-1 異種移植片を atRA、ベラパミル、トロレアンドマイシン単独または併用で処理しました。
結果: AsPc-1 細胞および HPAF 細胞に対する atRA の抗増殖効果は、MDR および CYP450 の阻害、またはそれらの生成を減らすアンチセンス オリゴヌクレオチドによって著しく増強されました。この組み合わせは、atRA 誘導アポトーシスも増強しました。MDR および CYP450 の阻害剤の同時投与も、異種移植片の成長に対する atRA の阻害効果を増強しました。
結論:低用量の非毒性 atRA と MDR 遮断および CYP450 阻害を組み合わせた膵臓癌の併用治療は、腫瘍の増殖を効果的に抑制し、新たな臨床応用を示唆している。