オーガスト・S・バッサーニ、ダニエル・バノフ、ハー・ファン
フランツ皮膚有限用量モデルを用いたロラゼパムのヒト死体胴体皮膚への経皮吸収のin vitro特性評価
客観的
ロラゼパムは、不安、不眠症、化学療法による吐き気や嘔吐の管理に使用できる鎮静剤です。ロラゼパムは、皮膚を通して薬剤を送達するために、リン脂質ベースと呼ばれる Lipoderm などの経皮ベースに組み込むことができます。この研究の目的は、フランツ皮膚有限用量モデルを使用して、in vitro でヒト死体の胴体皮膚に塗布した場合の、リン脂質ベース中のロラゼパム 5 mg/g の経皮吸収を特徴付けることです。
方法
ロラゼパムの経皮吸収は、3 名のドナーの ex vivo ヒト死体胴体皮膚を使用して評価しました。各ドナーの皮膚は、公称 2 cm2 フランツ拡散セルに収まるように小さな切片に切断されました。次に、皮膚切片あたり 5 mg 製剤/cm2 に相当する公称量を、各ドナーの 3 つの複製皮膚切片の 2 cm2 投与面に塗布しました。所定の時点 (0、2、4、8、12、24、32、および 48 時間) で、各チャンバー内の受容体溶液を取り除き、新鮮な受容体溶液と交換し、6 mL のアリコートを分析用に取っておきました。ロラゼパムの総吸収、吸収速度、皮膚含有量、および表面洗浄の平均値は、HPLC 分析によって定量化されました。
結果
ロラゼパムの平均総吸収率は 8.38% ± 4.37 で、投与後約 30 時間で吸収率がピークに達しました。ロラゼパムは、真皮と表皮内にもそれぞれ投与量の 0.22% ± 0.02 と 3.65% ± 1.29 存在しました。
結論
結果は、リン脂質塩基がロラゼパムの経皮吸収を促進できることを示しています。この研究の知見は、ロラゼパムの経皮送達の媒体としてリン脂質塩基を使用することの実現可能性を正当化する際に役立つ可能性があり、皮膚をロラゼパム送達の代替経路として検討している医師や薬剤師にとって役立つ可能性があります。