野井正樹、清宮哲、原田公平、小林拓己、グレアム・K・ウッドワード、河野竜二
無線ボディエリアネットワーク(BAN)は、ユビキタス医療や遠隔医療を目的に研究開発されており、2012年2月に国際標準規格IEEE802.15.6が制定された。災害現場で行方不明者の捜索やバイタルサインのセンシングを行うためには、信頼性とセキュリティの高い、すなわちディペンダブルなBANを、人体だけでなくロボット、自動車、ドローンなどのUAV(無人航空機)などのボディに適用し、信頼性の高いマシンツーマシン(M2M)センシングと制御を行うことができる。このようなM2Mネットワークは、モノのインターネット(IoT)のような「モノのBAN」とも言える。被災地周辺では、予期せぬ障害物や複雑な電波伝搬により、正確な測距や位置特定、信頼性の高いバイタルデータセンシングが妨げられる傾向がある。BANで正確な位置特定や堅牢なデータ通信を行うには、超広帯域(UWB)無線、アレイアンテナ、物理層のエラー制御コードなどのディペンダブルな無線技術を、MAC層、ネットワーク層、アプリケーション層と連携して最適化する必要がある。 BAN が開発され、世界的に標準化された後も、レギュラトリーサイエンスは、安全性、信頼性、セキュリティを保証し、規制に準拠するために、それを採用する必要があります。この論文では、UWB 測距と通信を使用した災害救助と医療ヘルスケア用の信頼できるワイヤレス BAN の研究開発、標準、規制への準拠について紹介します。地震などの自然災害で負傷者を見つけるために複数の UAV をリモートセンシングして制御する日本とニュージーランドの共同プロジェクトも紹介します。この研究には 2 つの目的があり、1 つは UAV を使用して瓦礫の下にいる人々を見つけること、もう 1 つはそれらの人々が着用している BAN に含まれる情報を収集することです。信頼できるワイヤレスネットワークの新しい IEEE802.15 国際標準グループ IEEE802.15 IG-Dependability は、著者 (河野隆司教授) が議長を務めています。