シャイレシュ・ジェイン、ユー・シュアン・リャオ、デュイ・リー
我々は、最近急性リンパ性白血病(ALL)の治療を受けた68歳の女性(Aさん)における、タクロリムス(プログラフ)誘発性の精神病的特徴を伴う躁病の症例を報告する。肝臓および腎臓の移植において、マクロライド系免疫抑制剤タクロリムスを投与すると神経毒性およびせん妄が起こることが報告されている。さらに、腎移植における腎毒性および不安は、タクロリムスのトラフ血中濃度が高いこと(正常:5~15 ng/ml、多酵素免疫測定法)と相関している。我々の症例は、オランザピンによる初期治療に反応しなかった治療限界以下の血中タクロリムス濃度(1.6 ng/ml)でも精神病的特徴を伴う躁病が認められた点で独特である。