水文地質学および水文工学ジャーナル

中国ムーウス砂地の砂丘間低地における塩の蓄積

藤巻晴之*、魏江生

中国のムーウス砂地では、土地の平坦さと化学肥料の使用を増やす最近の農業開発により、砂丘間低地への灌漑を通じた外部からの塩分負荷がなくても、中程度の塩類集積が起こっている可能性がある。土壌と地下水の塩分濃度を地下水深との関係で測定した。結果は、地下水位が浅いほど、また砂丘間低地の中心に近いほど、表土と地下水の両方の塩分濃度が高いことを示した。地下水位の深さが同じであれば、草地の下の地下水の塩分濃度は裸地よりも高かった。低地の表土への塩分集積は、砂丘からの地下水の水平供給によって維持されている可能性がある。土地の持続可能な農業開発のためには、塩分濃度にさらに注意を払う必要がある。