白子隆志*
2014年9月27日午前11時52分に御嶽山が噴火し、山中にいた多くの登山者が死亡、負傷した。翌朝早く、災害医療支援隊と山岳救助隊が岐阜県最高峰の山頂小屋に避難していた登山者26名の救助と応急処置を行った。このうち治療を要した3名がヘリコプターで当院に搬送された。症例1:39歳女性。左鎖骨、肩甲骨、肋骨開放骨折で、全身麻酔下にデブリードマンを施行した。症例2:52歳男性。左上腕骨開放骨折で、洗浄固定術を施行した。症例 3: 46 歳男性。広範囲の打撲により、体の左側に重度の打撲と腫れがあり、血清クレアチンキナーゼ値も高かった。3 人の患者は全員、火山岩、岩屑、ガスの高速破片の衝突による二次または四次爆傷に分類される鈍的外傷と穿通性外傷を負っていた。ここでは、日本の火山噴火による爆傷の稀な症例を報告する。