原子力科学・発電技術ジャーナル

国は違えど、原子力安全文化は似ている：中国と米国の原子力安全文化の比較研究

江富明

国は違えど、原子力安全文化は似ている：中国と米国の原子力安全文化の比較研究

原子力安全文化は、原子力産業が発足して以来、常に最優先事項となっています。しかし、原子力発電プログラムを実施している国々はそれぞれ異なる原子力安全文化を持ち、その国の固有の伝統や文化の影響により改善の機会が大きく異なるという認識が業界内に長く根付いており、それが原子力安全文化をより広範囲に強化する分野での緊密な協力の困難につながっています。

本研究の目的は、中国と米国の原子力発電所の原子力安全文化を比較し、改善のための共通の機会を特定し、原子力安全文化の分野でのより広範な協力を促進することである。ユーティリティ・サービス・アライアンスが開発した一貫した評価手法を使用して、両国の原子力発電所の原子力安全文化の改善の機会を特定した。4つの原子力安全文化評価（米国2つ、中国2つ）の結果を検討し、4つの原子力産業が共有する独自の強みとともに、改善のための共通の機会を特定した。中国と米国の原子力発電所の原子力安全文化には相違点よりも共通点が多く、強力な原子力安全文化の適用に目に見える国境はないという結論が一般的に下された。