稲垣勝、北田耕司、徳永直之、高橋健二、浜野良輔、宮曽秀明、常光陽介、大塚真也、岩垣宏美
肺癌治療中に切除された胆管細胞癌の1例
胆管細胞癌は極めてまれな悪性原発性肝腫瘍であり、原発性肝腫瘍の 1% 未満を占める。ここでは、肺癌の治療中に発生した胆管細胞癌の症例を報告する。肺癌の手術後の経過観察中の女性が、腹部コンピューター断層撮影検査で肝臓の左葉に孤立性肝腫瘍を発見した。動脈相では中心部の低血管領域を伴う早期増強が示され、遅延相では増強造影剤の残留が示された。腫瘍は EOB 磁気共鳴画像の肝細胞相で低信号結節として観察された。胆管細胞癌との鑑別診断で肺癌の肝転移と診断した。肝臓の拡大左葉切除を実施した。組織学的および免疫組織化学所見は、胆管細胞癌と一致した。